【Protra】売買ルールにトレンド判定を使用する その3

その1その2に引き続き、トレンド判定を盛り込んでいきます。

本記事で使用しているコードは、別記事での内容を踏まえたものとなっており、そちらを事前に ご覧になられることをお勧めします。
投資予算に制限を加える
共通コードを関数化して可読性を向上させる その2
共通コードを関数化して可読性を向上させる その3
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移動平均線の動き

今回のトレンド判定には、移動平均線の動きを用います。

例えば、「当日の〇〇日移動平均線が、××日前より大きい場合、現在その株価は上昇トレンドにある」と判断します。

実装

当日の〇〇日移動平均線値との比較のため、××日前の移動平均線の値を保存する必要があります。これは2次元配列に [企業の番号(=i)]と[xx日]を入れれば実装できそうです。

上場から現在までの全日数(20年なら約4,000日)を保存する配列を、全ての銘柄に準備するでも良いのですが、メモリの節約のため xx日分の配列しか準備しないことにします。

そこで上場からの日数を返す組み込み関数 Indexと、mod関数を使います。イメージは以下の通り。75日間の推移を見ると仮定した場合です。

完成したのが以下のコードです。

この例では、75日移動平均線を用いて、75日間の推移を見るようにしていま。mvavgDayが移動平均線の日数、$logDateが記録日数、$MAlogが移動平均線値を記録する配列です。

35行目:2次元配列の指数j をmod関数で計算しています。
36行目:最初は配列がnullのため、初期化しています。
39行目:75日前のデータをxdayAgoMAに渡し、
40行目:当日の値に配列を更新しています。

効果の検証

その1その2と同じく、以下の逆張りルールを用います。

◆買い:以下を満たしたとき、翌日の始値が買う
・終値と移動平均(5日)との乖離率が-7%以下

◆売り:以下のいずれかを満たしたとき、翌日の始値で売る
・終値と移動平均(5日)との乖離率が0%以上
・購入から10日経過

予算無制限、対象銘柄:売上上位500銘柄

はじめに、トレンド判定なし。

続いて、「当日の75日移動平均線値が、75日前の75日移動平均線値より大きい場合、上昇トレンドと判断」を盛り込んだ場合です。

改善したものの、まだ ところどころ大きなドローダウンがありますね。

これは検証に使用した条件、「当日の75日移動平均線値が、75日前の75日移動平均線値より大きい場合、上昇トレンドと判断」は以下ように、実際は上昇トレンドでない場合も考えられるためです。

そこで、「当日の75日移動平均線値が、75日前の75日移動平均線値より大きい かつ 当日の25日移動平均線値が、25日前の25日移動平均線値より大きい場合、上昇トレンドと判断」と、条件を追加してみまよう。中期,長期的双方ともにトレンドが上昇傾向にある場合にのみINするわけです。

多少改善しましたが、2011年の大きなドローダウンは依然 取りこぼしていますね。大地震時のような急落は、中長期の移動平均線に反映されにくいためでしょう。その点が その1その2のように、実際の株価を使用しているトレンド判定とは異なるところです。


比較期間は もっと短期間、例えば25日前の75日移動平均線と比較したり、5日移動平均線を使用し、短期的なトレンドを組み合わせても良いですね。

是非いろいろ検証してみてください!